「MtFのホルモン治療とは具体的にどんなことをするのか知りたい」
「ホルモン治療による効果や副作用はいつ頃現れるの?」
MtF(Male to Female:男性から女性への略語)でホルモン治療を行う場合、主に以下の変化が現れます。
体質や精神 | 変化の内容 |
---|---|
肌の変化 | 柔らかくなり、乾燥しやすくなる |
体型の変化 | 脂肪の分布が変わり、女性的なシルエットに変化する |
心理的な変化 | 女性的な感情表現が増加する |
他にも体毛が薄くなったり、筋肉が低下したりと、体が徐々に女性的になっていき、6ヶ月を過ぎてから不可逆的な状態になります。
また、健康面でも深刻な副作用が発生する可能性があるため、MtFにおけるホルモン治療は、事前に入念な確認や慎重な検討が求められます。
この記事では、MtFにおけるホルモン治療について詳しくご説明します。
MtFを考えている人は、是非ご一読ください。
- ホルモン治療で起きる心と体の変化
- ホルモン治療の方法
- ホルモン治療の副作用
ホルモン治療で起きる変化とは?治療方法の基礎知識紹介
ホルモン治療とは、その名の通りホルモンを用いた治療法であり、MtFの場合、女性ホルモンを接種することになります。
女性ホルモンを接種することで、身体に女性的な特徴が現れ始め、精神的な変化が現れ始めます。
ここでは、ホルモン治療で起きる心と体の変化やリスクなど、基礎的な知識を紹介します。
また、女性ホルモン摂取以外にも、睾丸摘出手術を行い男性ホルモンの分泌の低下を促す方法もございます。
詳しくは以下のリンクをご確認ください。
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ホルモン治療で発生する心と体の変化について
女性ホルモン接種によるホルモン治療で、心身ともに女性的な変化が現れるようになります。
具体的には、以下のような変化があらわれます。
- 腕やヒゲなどの体毛の量の変化:1~4ヶ月
- 男性機能の低下:1~4ヶ月
- 脂肪量の増加:3~6ヶ月
- 筋肉量の減少:3~6ヶ月
- 乳房の膨らみ:3~6ヶ月
- 男性的性欲の減少:1~4ヶ月
- 男性的攻撃性の減少:1~4ヶ月
発現時期には個人差があり、発現時期は前後しますが、一般的には3〜6ヶ月ほどで徐々に変化が現れ始めます。
ホルモン治療で起きる副作用について
ホルモン治療は身体に大きな影響を与えるため、以下の副作用が生じる可能性があります。
- 深部静脈血栓
- 脳卒中
- 心筋梗塞
- 乳がん
- 肝機能障害
これらが起こる要因としては、女性ホルモンであるエストロゲンが関係していると考えられています。
エストロゲンは血液凝固を促進させる作用を持っているためであり、血液が固まることで血栓が発生しやすくなり、上記のような副作用を引き起こしやすくなります。
女性ホルモンの薬は海外経由でネットでも購入できますが、上記のような理由があるので、医者の指導無しでのホルモン治療はリスクが大きいです。
したがって、医者の指示を守り、リスクを最大限回避する投与方法が最も安全性と確実性の高い治療法といえるでしょう。
MtFの方のホルモン治療は「注射」「経口摂取」「経皮摂取」の3種類がある
MtFのホルモン治療はホルモン剤を使用しますが、その方法は注射の他、内服薬による経口摂取、塗り薬による経皮摂取の3種類から選ぶことになります。
それぞれの特徴をまとめると、以下のとおりです。
治療法 | 特徴 | デメリット |
---|---|---|
注射 | 即効性、安定した効果 | 持続的に注射が必要 |
経口摂取 | 手軽に服用可能 | 肝臓への負担 |
経皮接種 | 血中濃度の安定 | 毎日の塗布が必要 |
ここでは、ホルモン治療における注射、経口、経皮のそれぞれの特徴をご説明します。
即効性が期待できるホルモン注射
ホルモン注射とは、男性ホルモン、および女性ホルモンを注射して投与する治療方法です。
ホルモン注射は筋肉注射によって注入されるので、より即効性があるとされています。
- メリット:血中に直接ホルモンが注入されるので即効性があり、効果も期待できる
- デメリット:尿で排出されやすく持続的に注射を行わなければならない。
注射は通常、2〜4週間に一度行われます。
血中濃度が安定しやすいため、比較的速やかに身体的変化が現れることが特徴です。
ただし、注射の頻度や量によっては、副作用やホルモンの急激な変動により体調が不安定になる場合があるため、適切な管理が求められます。
心理的な負担の少ない経口摂取
経口摂取は、ホルモン剤を服用して摂取するというホルモン治療であり、女性ホルモンの摂取は経口摂取が一般的な方法です。
- メリット:手軽に摂取でき、心理的な負担が少ない
- デメリット:肝臓の負担が強まるため、副作用のリスクが高まりやすい
ホルモン剤を錠剤やカプセルで服用する方法です。手軽に行えるため、多くの方にとって心理的な負担が少ないのが特徴です。
ただし、効果が出るまでに時間がかかることがあり、また、消化器系を通じて吸収されるため、肝臓への負担が大きくなることが懸念されています。
服用量や頻度については、医師の指示に従うことが重要です。
局所投与や血中濃度を維持しやすい経皮接種
経皮摂取とは、塗り薬や湿布薬を用いたホルモン治療であり、ホルモン剤を肌に塗布して接種する治療方法です。
- メリット:局所投与ができる。少量投与ができるので安全性が高い、血中濃度を一定に保った状態を維持しやすい
- デメリット:局所投与しかできない。効き目が弱い。毎日の塗布が必要
経皮摂取は注射や経口摂取に比べて副作用のリスクが低く、長期間の使用が比較的安全とされています。
ただし、毎日の使用が必要なため、継続的な管理が求められます。
MtFにおけるホルモン治療でよくある質問と回答
MtFにおけるホルモン治療はまだ不明な点が多く、実際に行う場合、治療期間や効果などに対して疑問や不安を抱く人は少なくありません。
ここでは、ホルモン治療に関するよくある疑問をQ&A形式で紹介します。
女性ホルモンの効果は、いつから現れるのでしょうか?
個人差はありますが、1~4ヶ月位で効果を実感する傾向にあり、半年前後で不可逆の変化が起きる傾向にあります。
女性ホルモンの濃度が一定に保たれることにより男性ホルモンが相対的に低下し、それに伴い男性的な機能が弱まり始めるからです。
人によっては完全に目に見える変化が起きるまでには1年以上かかることもありますので、根気よくホルモン治療を続ける必要があります。
長期的な効果を得るためには、医師の指導の元、定期的な治療の継続を行ないましょう。
ホルモン治療の頻度はどのくらいですか?
一般的に、2~3週間に一度のペースで行なうことになります。
ホルモン治療で投与した女性ホルモンは代謝によって排除されます。
エストロゲンや黄体ホルモンといった女性ホルモンが分泌できないMtFの場合、定期的にホルモン治療を行い、女性ホルモンを投与しなければなりません。
ホルモン注射をやめるとどうなる?
継続的にエストロゲンを接種していた状態から急に摂取をやめた場合、治療による身体的・心理的な変化が徐々に元に戻る可能性があります。
また、ホルモンバランスが乱れてしまい、体に乳汁分泌をはじめとした様々な影響が現れることもあります。
薬の作用が残ることはないので生命の危機に陥るリスクは低いですが、健康的な問題が発生しやすいので、辞める場合は医師と相談しましょう。
まとめ
この記事ではMTFにおけるホルモン治療の基礎知識や治療方法を紹介いたしました。
ホルモン治療は長期にわたって行なう治療法であり、治療を行えば不可逆の状態になります。
よって、家族との相談や将来を考え、正しい決断かどうかを考える必要があります。
この場合、クリニックでのカウンセリングは有効であり、専門家の意見を参考にするのは十分メリットがあるといえます。
自分一人で悩む前に、まずは専門家に相談し、自分にあった答えを見つけましょう。
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