性病検査で保険適用できる条件とは?自費診療になるケースや費用も解説

性病検査で保険適用できる条件とは?自費診療になるケースや費用も解説

性病が不安で検査を受けたいけど、費用は高いの?」

保険が適用される条件は?」

このような疑問を抱えていませんか。

性病に不安を感じても、症状が軽いため検査の必要性に迷う方や、検査を受けることで身内にバレてしまうのではないかと、不安に思う方もいるでしょう。

そこでこの記事では、性病検査で保険適用できる条件や、身バレしない治療方法について解説します。

最後まで読むことで、性病検査に関する正しい知識が身につき、検査を受ける際の不安を解消できますので、ぜひ参考にしてください。

目次

性病検査は医師の判断によって保険適用される

性病検査は医師の判断により保険適用されますが、以下の2つに該当する場合に限られます。

保険適用される基準
  • 性病の症状がある場合
  • 医師が診察の結果、性病検査が必要と判断した場合

性病の症状が明らかにあらわれている場合は、保険が適用されます。

また、症状が不明確であっても医師が診察の結果、性病の可能性があると判断すれば保険が適用されますが、各病院ごとに保険適用の基準が異なるため注意が必要です。

さらに、すべての性病検査を保険適用外で行っているクリニックもあるため、検査を受ける前に保険が適用されるかどうかを確認しておくと安心でしょう。

性病検査が自費診療になるケース

保険が適用されず、検査費用が全額自己負担となるケースをまとめました。

性病の検査費用が自己負担になるケース
  • 症状が出ていない
  • 保険適用を受けづらい性感染症に患っている
  • 匿名で検査を受けたい場合

一つひとつみていきましょう。

症状が出ていない

痛みやかゆみなどの症状が出ていない場合は、自費診療になります。

代表的な性病として、クラミジア感染症・淋病・性器ヘルペス・カンジダなどがあげられます。

これらの性病にかかると、主に以下の症状があらわれます。

  • 排尿時の痛み
  • 性器の腫れ
  • 性器周辺の痛みやかゆみ
  • 性器から膿が出る
  • 性器から変な臭いがする
  • 陰部にできものやしこりができる

自覚症状がない場合、知らず知らずのうちに人に広めててしまうリスクがあり、不妊の原因に気づかないこともあります。

そのため、性病に感染しているかもしれないという不安から検査を受ける人も多いです。

しかし、症状がない場合は治療を目的としていない健康診断と同様の扱いになるため保険適用になりませんので、注意しましょう。

保険適用を受けづらい性感染症に患っている

日本では症例が少なく馴染みのない性感染症にかかっていると、保険適用を受けづらいため、自費診療になる場合があります。

たとえば以下があげられます。

保険適用を受けづらい性感染症
  • 非淋菌性、非クラミジア性のマイコプラズマ尿道炎
  • ウレアプラズマ尿道炎

これらの感染症を引き起こす原因菌には、マイコプラズマ2種類とウレアプラズマ2種類の合計4種類があります。

しかし、マイコプラズマ・ジェニタリウムのみ男性尿道炎の原因菌として病原性が立証され、2022年6月より保険適応が可能となりました。

そのため、マイコプラズマ・ジェニタリウムに的を絞って検査する場合以外は、保険適用が効かない場合があります。

非淋菌性、非クラミジア性のマイコプラズマ尿道炎やウレアプラズマ尿道炎などの性感染症を調べたい場合は、性感染症専門のクリニックにて自費診療になるか確認しましょう。

匿名で検査を受けたい場合

家族に知られたくないという理由で、匿名で検査を受けたい場合は自費診療になります。

保険診療をすると年に1回自宅に届く「医療費のお知らせ」に、受診した医療機関が記載され、受診したことが家族にバレてしまう恐れがあります。

そのため、保険証を使わず匿名で検査を希望する人もいるのです。

家族や知人に性病検査を知られたくない人は、匿名で受診をしましょう。

パートナーが性病と判断された場合、検査に保険は適用される

パートナーが性病と判断された場合は自身も感染している可能性が高く、早期の検査と治療を強く推奨されるため、性病検査に保険が適用されます。

パートナーが性病と判断され受診する場合は、以下の書類の提出を求められる場合があります。

  • パートナーの検査結果
  • パートナーの診断書

パートナーがいつごろ、どのような診断を受けたのかを明確に提示することで、医師が適切な検査や治療を進めやすくなります。

男女ともに不妊の原因や命に関わるさまざまな病気を引き起こす可能性があるため、お互いに検査を受け、適切な治療を受けましょう。

日本で代表的な性病7選

日本で代表的な性病は以下の7つです。

代表的な性病
  • クラミジア
  • 淋病
  • 性器ヘルペス
  • 尖圭コンジローマ
  • 梅毒
  • カンジダ
  • HIV

どの検査も保険診療では初診(診察・検査・治療)で約3,000円〜4,000円程度です。

再診ではお薬の追加や検査が行われ、多くて2,000円程度になるでしょう。

自費診療の場合、クリニックごとに費用が大きく異なるため参考程度にしていただき、直接医療機関にたずねてください。

1.クラミジア

厚生労働省の年齢別にみた性感染症報告数の年次推移によると、クラミジアの2022年の感染者数は30,136人におよび、日本でもっとも代表的な性病といえます。

項目概要
症状排尿時の違和感や痛みまれに膿が出る喉に感染すると咽頭痛がある一般的には症状が出るが、無症状の場合もある
原因クラミジアトラコマチスという細菌が感染することによって起こるセックスやオーラルセックスで感染する
検査費用目安(自費診療)6,800円〜8,800円程度

クラミジアの潜伏期間は1〜2週間程度です。

他の性病をもっていても合併することが多いため、注意が必要です。

2.淋病

淋病は非常に感染しやすく、厚生労働省の年齢別にみた性感染症報告数の年次推移によると、2022年の感染者数は9,993人におよび、クラミジアについで多い性病です。

項目概要
症状尿道から膿が出る排尿時に強い痛み喉に感染した場合、強い咽頭痛まれに無症状の場合もある
原因淋菌という細菌によって引き起こされるセックス、オーラルセックス、アナルセックス、アナルセックスなどで粘膜に感染する
検査費用目安(自費診療)6,800円〜8,800円程度

淋病は、1回のセックスで30〜50%と高い確率で感染するといわれています。

感染を放置すると不妊の原因となるため、疑わしい場合は早めに病院に行きましょう。

3.性器ヘルペス

ヘルペスウイルスは感染力が強く、お風呂やトイレ、コップの共用で感染する可能性のある性病です。

項目概要
症状陰部や口唇の皮膚が欠損した状態となり、強い痛みを生じるその後かさぶたとなり治癒する無症状も多い
原因ヘルペスウイルスが感染すると起こる口唇にヘルペスウイルスをもっている場合、セックスやオーラルセックスで感染する
検査費用目安(自費診療)6,300円〜8,800円程度

初めて感染した場合は、症状が強く出る傾向があり、再発も多いです。

ヘルペスウイルスを完全に除去する治療法は確立されていないため、症状を抑えるよう睡眠不足やストレス解消などの対策が重要です。

4.尖圭コンジローマ

尖圭コンジローマは、ヒトパピローマウイルス(HPV)の感染によって引き起こされる性感染症です。

項目概要
症状性器やその周辺、肛門周辺などに粒状の表面を持つイボができる
原因主に性交や性交類似行為で感染し、まれに接触感染や母子感染もある
検査費用目安(自費診療)3,000円〜10,000円程度

感染した場合、数週間から数か月後に症状が現れることがありますが、無症状のまま過ごすこともあります。

治療には、外科的切除や薬物治療(イミキモドなどの外用薬)を用いることが一般的です。

5.梅毒

梅毒は近年急激に患者数が増加している性病です。

厚生労働省の年齢別にみた性感染症報告数の年次推移によると、2000年の梅毒感染者数は759人ですが、2022年は13,221人と約17倍に増加しています。

これは、厚生労働省の梅毒患者数の増加に関連する要因解析で、海外からの観光客の増加と無店舗型性風俗が原因とされています。

項目概要
症状第1期:性接触後の3〜6週間後に陰茎に痛みのない潰瘍ができ、その後潰瘍は消失する第2期:全身に発疹が出るが、治る第3期:感染から3年以降に全身に腫瘍やしこりができる第4期:感染から10年以上経つと神経や脳に梅毒が浸潤し死にいたるまれに無症状の場合もある
原因セックス、オーラルセックス、アナルセックス、キスにより感染する感染者の皮膚や粘膜、血液、体液に潜んでいる
費用目安(自費診療)5,300円〜8,800円程度

梅毒は、早期に抗生物質で治療することが重要です。

早期発見・治療が大切ですので、怪しい症状があれば病院やクリニックを受診しましょう。

6.カンジダ

カンジダは、女性によくみられる性病ですが、男性にも発症します。

項目概要
症状尿道、性器周辺の皮膚に感染し、違和感とかゆみを引き起こす排尿時や性交時の痛み亀頭と包皮の痒み、かさつき、赤み、ただれ、分泌物が出る潜伏期間は1日〜1週間前後
原因カンジダ属の真菌というカビの一種によって起こる性行為で感染する疲労、ストレス、陰部の湿り、きつい下着の着用で起こりやすい
費用目安(自費診療)6,300円〜8,800程度

常在菌による自己感染が多いため、陰部を清潔に保つことが大切です。

7.HIV

HIVとはヒト免疫不全ウイルスのことで、エイズ(後天性免疫不全症候群)を引き起こす可能性があります。

エイズとはHIVウイルスがリンパ球に感染することで体の中の免疫力が低下し、感染症や癌にかかりやすくなる怖い病気です。

項目概要
症状初期:だるさや微熱などの風邪症状(2〜4週間程度)その後無症状期間が続く数年〜10年:免疫が低下し、エイズを発症
原因感染部位は全身で性行為や血液を介して感染する。
クラミジア、淋病、梅毒など他の性行為感染症をもっていると粘膜が弱くなっているためかかりやすい
検査費用目安(自費診療)2,000~20,000円程度

HIVはもともと治療法がなく「死の病」とされてきましたが、現在では新しい薬が開発され薬を飲み続けることでウイルスの量を減らし、エイズ発症を防げるようになっています。

しかし、HIVが体内から完全に消えることはなく、薬をやめるとウイルスが再び増えてしまうため、生涯にわたって薬を飲み続けなければなりません。

性病検査は即日で結果がでる?

性病検査には、即日で結果が出る「即日簡易検査」があります。

即日簡易検査とは「イムノクロマトグラフィー法」と呼ばれ、検査方法は尿から抽出液を作り、専用の検査キットに滴下して感染の有無を判定します。

イムノクロマトグラフィー法の長所は手軽で短時間で結果判定できる点です。

反対に短所は精度が低く、尿を使った検査のため性器の感染しか確認できない点です。

この方法では喉や肛門の検査はできないため、これらの部位に感染が疑われても検査ができません。

明らかに尿道炎など性器に症状が出ている場合はスムーズに治療に移れますが、そうでない場合は、医療機関でしっかりとした検査を受けましょう。

性病が心配なら重症化しないうちに検査を検討しましょう

この記事では、性病検査で保険適用できる条件や、自費診療になるケースとその費用を解説しました。

性病検査が自費診療になるケースは以下の3つです。

性病検査が自費診療になるケース
  • 症状が出ていない
  • 保険適用を受けづらい性感染症に患っている
  • 匿名で検査を受けたい場合

性病は症状がなくても、感染している場合があります。

病が進行すると命に関わる病気になってしまうこともあるので、早期発見・治療が大切です。

検査や治療には自費診療と保険診療があり、自費診療では金額は高くなりますが匿名で検査できるため誰にもバレずに治療できます。

保険診療は自己負担が少ないメリットがありますが、家族に知られてしまう恐れがありますので、検査前にバレても問題ないか判断しておきましょう。

あなたとあなたの大切なパートナーを守るため、少しでも違和感をおぼえたら検査を検討してください。

まずはお気軽にご相談ください/

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